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夏の始めの夕暮れ時、生まれたばかりのホタルたちが一斉にとびだちます。
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その中に一匹だけ羽がちぎれてとべないホタルがいました。
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仲間のホタルたちは、「とべないホタル」なんているはずないからもう一度がんばろうと励ましますが、羽がちぎれたホタルは結局とぶことはできませんでした。
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とべることに有頂天だったホタルたちはとべないホタルがいることを初めて知り、どうすることもできず、泣いているとべないホタルを葉陰からじっと見守っているのでした。
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ある日、とべないホタルは、空をとんだらきっと遠くまで見えて気持ちいいんだろうなぁと思い、カワヤナギの木に登ってみることにしました。てっぺんまで登ったとべないホタルは、光の尾を引いて舞いとぶ仲間たちに夢中で見とれていました。
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その時とべないホタルは、ホタル狩りにやってきた人間の子どもに捕まりそうになりますが、一匹の勇気あるホタルがとび出し、助けられます。ひとりぼっちだと思っていたとべないホタルは、見ていてくれる仲間がいることを知ります。
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人間の子どもたちは勇気あるホタルを家にもって帰りました。男の子は寝たきりの妹のひろちゃんにホタルを見せたかったのです。
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やがて勇気あるホタルはみんなのもとに帰ってきました。ホタルたちは大喜びです。
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喜びもつかの間、ホタルたちを突然「嵐」が襲います。
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気がついたとべないホタルは泥に埋まったホタルを必死に助け出しますが、そのホタルの目は見えなくなっていました。そのホタルこそ以前身代わりになった勇気あるホタルだったのです。その他のホタルたちも光れなくなったりして傷ついていました。
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ホタルたちは互いの悲しみを語り、分かち合う中で、お互いを認め合い、励まし助け合って生きていこうと思うのです。
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そして、すみかを追われたホタルたちは自分たちの生きる場所、夢を求めて旅立つのでした。
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